甲種火薬類取扱保安責任者...取扱保安責任者=発破も出来ます!一般火薬学★LOVE!!


甲種火薬類取扱保安責任者

「コンクリート破砕器作業主任者」技能講習の受講資格が欲しくて…夏






    感 想 等    

 …念願!やっと、発破しか出来ない技士(=発破技士)を卒業!((^_^)v協会の出題ミスによる繰り上げ合格!(^_^)v)

 甲種火薬類取扱保安責任者は一体、何が出来るのか?火薬類取締法 第30条第二項 火薬類取締法施行規則 第69条の二による、火薬類の貯蔵、消費、廃棄等を行う事ができる資格者である(尚、火薬類の製造は出来ない。火薬類製造保安責任者の領域)。これらの業務を行うには、火薬類の貯蔵(保管)業務が必須となる。即ち、火薬類の「消費場所(消費合計量が1箇月に1t以上)」、又火薬類を貯蔵(保管)するための「火薬庫(貯蔵合計量が1年間に貯蔵量20t以上)」の責任者(=取扱保安責任者)に選任可能な点が極み(甲種火薬類取扱保安責任者・有資格者に許された職務内容、業務独占領域)といえる。

 尚、火薬関係の国家資格として、火薬類の消費に関し、発破技士という国家資格が有るが、本資格者は発破における、せん孔、装てん、結線、点火、並びに不発の装薬、又は残薬の点検、及び処理の業務のみ従事可能である(参照)。火薬類を貯蔵するための「火薬庫の責任者」になる事は出来ないのだ。

 更に、甲・乙種火薬類取扱保安責任者の上には、甲・乙・丙種火薬類製造保安責任者という国家資格がある。しかし、面白い事に火薬類製造保安責任者については、「発破」や「火薬庫の責任者」等、発破技士・火薬類取扱保安責任者に許された職務、独占業務に従事する事が出来ない。
 あくまでも、火薬類の「製造」業務のみに限られる。従って、火薬類製造保安責任者が「発破」「火薬庫の責任者」業務を行うためには、改めて火薬類取扱保安責任者の国家資格を取得する必要がある。取扱保安責任者と製造保安責任者とは職務内容が異なるため、上位資格、下位資格の関係にはなっていないのだ。

 男の血が騒ぐ発破」業務限定で、まとめると…
∴甲〜丙種火薬類製造保安責任者は発破「火薬庫の責任者」等出来ない
(上位資格(製造)は下位資格(取扱)の職務を兼ね備えるといった性質は皆無

∴甲〜乙種火薬類取扱保安責任者は発破出来る
(上位資格(取扱)は下位資格(発破技士)の職務を兼ね備えるといった性質がある

 尚、甲種又は乙種火薬類製造保安責任者の場合、火薬類取扱保安責任者試験の試験課目が全部免除されるため、出願・申請のみで合格となり、免状交付となる。但し、丙種火薬類製造保安責任者については一切、科目免除が無いため、火薬類取扱保安責任者試験の全科目について受験する事となる。
 
 試験科目数は「一般火薬学」「法令」の2科目。どちらが難しい科目か?といえば…断然!「法令」でしょう!おさえて(覚えて)おかなければならない、各種数字が非常に多い。更に、それら正確に暗記した数字を駆使しなければ解けない、複雑な計算問題が「法令」にも出題される。例えば、一〜三級火薬庫の最大貯蔵量(爆薬換算)の算出や、爆薬換算から保安物件に対する保安距離の算出、火薬類を貨物自動車で運搬する場合に2人以上の運転要員を確保しなければならないD値の算出の問題等(ごく一部)である。
 私は、「法令」対策のテキストとして、『火薬類取締法令の要点』1冊のみを使用した。ハッキリ申し上げて、このテキストは使いづらい(理解しづらい)。題名の通り、要点のみしか記載されていない。無論、試験では要点以外からも出題される。私自身、参照した事は無いが、「法令」の学習にあたっては、一通り条文が網羅されたテキスト(『火薬類取締法令集』『火薬類取締法令の解説』(いずれも日本火薬工業会 発行))を手元におく事が理想と言える。

 「一般火薬学」対策には、『一般火薬学』という素晴らしいテキストが有り、過去問潰しの参考書としてフル活用できる。ただ、試験問題に相対して、解説が不十分であると感じた部分は、「第5章 火薬類の性能試験法」の章である。過去問には主として、殉爆試験や熱分析試験、安定度試験、鉛とう試験(トラウズル試験)、弾動きゅう砲試験、水中爆力試験、爆速試験が出題されているが、テキストでは簡略的な記述のみであり、とても不満であった。
 「一般火薬学」の計算問題としては、火薬類単位質量あたりの酸素バランスの算出、火薬の力(f)・ガス比容の算出、ベンチ発破の装薬量、孔間隔、発破係数の算出、電気雷管結線における所要電圧の算出の問題等がある。

火薬、爆薬、及び火工品の分類
中分類 小 分 類 品  名






火 薬 硝酸塩を主とする火薬 黒色火薬
硝酸エステルを主とする火薬 無煙火薬
その他の火薬 過塩素酸アンモニウム系コンポジット推進薬
コンクリート破砕器
爆 薬 起爆薬 DDNP(ジアゾジニトロフェノール)
アジ化鉛
テトラセン
トリシネート
その他の起爆薬
硝酸塩を主とする爆薬 アンモン爆薬
硝安爆薬
硝安油剤爆薬(アンホ爆薬)
含水爆薬(スラリー爆薬、及びエマルション爆薬)
塩素酸塩又は過塩素塩を主とする爆薬 塩素酸カリウム
カーリット
爆発の用途に供せられる硝酸エステル ニトログリセリン
ニトログリコール
ニトロセルロース
ペンスリット
硝酸エステルを主とする爆薬 ダイナマイト
ニトロ基3以上を含むニトロ化合物 TNT(トリニトロトルエン)
テトリル
RDX(トリメチレントリニトロアミン)
HMX
その他
ニトロ基3以上を含むニトロ化合物を
主とする化合物
TNT系爆薬
その他
火 工 品 工業雷管・電気雷管・非電気式起爆システム
銃用雷管・信号雷管
実砲・空砲・信管・火管
導火線・導爆線・制御発破用コード
信号焔管・緊急保安炎筒・信号火せん
その他の火工品
煙火(鑑賞用打揚げ・仕掛煙火、がん具煙火)
赤字私自身が試験対策で重要であると感じた品名。『一般火薬学』26-146頁より集約し作成。


 取扱保安責任者が火薬類の「貯蔵」に係る保安に関して行うべき職務は、次の通り。
  1. 火薬庫の構造、位置又は設備が法第十二条第一項 の許可を受けないで変更されることがないよう監督すること。
  2. 火薬類の貯蔵上の取扱い又は火薬庫の構造、位置及び設備が法第十一条第二項 又は第十二条第三項 の技術上の基準に適合し、又は適合して維持されるよう監督すること。この場合において、法第十一条第二項 及び第十二条第三項 の技術上の基準のうち盗難防止に関する事項については、特に注意しなければならない。
  3. 火薬庫の所有者又は占有者が販売業者であるときは、保安教育の実施状況を監督すること。
  4. 定期自主検査を指揮し、及び監督すること。
  5. 火薬庫が近隣の火災その他の事情により危険な状態となり、又は火薬類が煙若しくは異臭を発し、その他安定度に異常を呈したときの応急措置を指揮すること。
  6. 帳簿の記載及び報告の内容について監督すること。
  7. 前各号に掲げることのほか、法第三十六条 、第三十七条及び第四十条の規定に適合するよう監督すること。
  8. 取扱副保安責任者の補佐区分、定期自主検査計画その他火薬庫に係る保安計画等の作成を指導すること。

 取扱保安責任者が火薬類の「消費」に係る保安に関して行うべき職務は、次の通り。
  1. 火薬類の消費が法第二十六条 の技術上の基準に適合するように監督すること。この場合において、法第二十六条 の技術上の基準のうち盗難防止に関する事項については、特に注意しなければならない。
  2. 保安教育の実施状況を監督すること。
  3. 帳簿の記載及び報告の内容について監督すること。
  4. 取扱副保安責任者の補佐区分その他火薬類の消費に係る保安計画等の作成を指導すること。

 余談、花火大会」は打ち上げ場所・会場直近や間近で見るべきではないと、私は考える。「花火大会」は遠くから眺めるものだ!
 冷静に考えて頂きたい。数100m先で火薬類に点火しているのである。打ち上げ時の危険性は勿論、大空で大量の火薬類を炸裂させているのである。
 無論、周辺地域には火薬類の灰・燃えカス、燃焼ガス(後ガス)、含有各種化学薬品・金属粉の灰・燃えカス、燃焼ガス(後ガス)等が降り注ぐ。
 そのような場所で、喜んで浴衣姿の薄着で、屋台の焼きソバやビールを飲み食いするなんて…【・_・?】
 火薬類が暴発して、人間様に命中しても、何ら不思議な事ではない。



使用テキスト等
題 名 著 者 発 行 評 価
火薬類取扱保安責任者試験問題の解答と解説(平成17年度〜19年度)
及び丙種火薬類取扱責任者試験問題の解答と解説(平成18年度〜19年度)
付.火薬類取扱保安責任者試験の最近の出題結果の傾向
平成20年度版
全国火薬類保安協会 H20.04.01.
火薬類取締法令の要点 H19.05.30.
一般火薬学 日本火薬工業会
資料編集部
H06.04.01.



  

戻る
  

資格の巻

トップページ

アダルトグッズのNLS