型枠支保工の組立て等作業主任者かたわくしほこうのくみたてとうさぎょうしゅにんしゃ



 



講習の流れ、感想等

 労働安全衛生法第14条、労働安全衛生法施行令第6条十四により、事業者は、型わく支保工(支柱、はり、つなぎ、筋かい等の部材により構成され、建設物におけるスラブ、けた等のコンクリートの打設に用いる型わくを支持する仮設の設備をいう)の組立て又は解体の作業について、型枠支保工の組立て等作業主任者技能講習を修了した者を作業主任者として選任し、その者の指揮のもとに作業を行わせなければならない、と定められている。
 「型枠」とは打設されたコンクリートが固まって適当な強度に達するまで、コンクリートを所定の形状、寸法に保つ仮枠の事であり、型枠支保工とは「型枠」を所定の位置に固定し、支持する仮設構造物の事である。つまり、コンクリートの流動性を利用して、コンクリートを成形加工するための、お手製の「型」である。鯛焼きやたこ焼きの型、プラモの金型を連想して頂くと、理解し易い(貴方が今、パソコンに向かっている部屋の建物の基礎の型は、型枠支保工の組立て等作業主任者が作りました)。
 「型枠」の一般工法は、主として、せき板・それを押さえる端太材(鋼管,角鋼管)・締付け金具(丸セパレータ,フォームタイ,座金)の3つによって構成される。せき板とは型枠の最も内側、流し込むコンクリートに接する部位を成す。木製や金属製、合成樹脂製等があり、中でも木製の合板が多用されている。


 建設業関係の資格は多々存在するが、1つの資格のみで仕事が出来るという事は有り得ない。例えば、今回の型枠支保工の組立て等作業主任者であっても、型枠を施工するには基礎を成す地山を掘削し(車両系建設機械運転技能者)、土止めを施さなければならない(地山の掘削及び土止め支保工作業主任者)。土止めや型枠にはあらゆる材料・工具が使われ(アーク溶接技能士建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者等)、クレーンが必須である(小型移動式クレーン運転技能者等・玉掛技能者)。型枠に多用する合板の現場加工には、丸のこ盤が用いられる(木材加工用機械作業主任者)。更に、足場が必要になってくる場合もある(足場の組立て等作業主任者)。
 従って、技能講習の受講資格等には「実務経験3年以上」とあるが、実現場では「当該作業のみで3年」という事はまず有り得ない。合板の現場加工(但し、携帯用が主流)、玉掛溶接専門業者等、聞いた事がない。技能講習受講申し込みの際は、現場の仕事風景をじっくり考え、思い返して頂きたい。

講習科目、担当講師紹介など
講習科目 講習時間 講師の氏名
作業の方法に関する知識 1

7時間 財団法人
日本産業技能教習協会
理事(非常勤)

本田弘太郎
工事用設備,機械,器具,作業環境等に関する知識 2

3時間
作業者に対する教育等に関する知識 1時間30分
関係法令 1時間30分
修了試験 1時間 -
平成19年度前期 型枠支保工の組立て等作業主任者技能講習のご案内(実施計画)より抜粋

 型枠支保工の組立て等作業主任者の職務は…

1.作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること
2.材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと
3.作業中、安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること

 …3つである。

 余談、街中の現場で型枠を組んでいる技術者達を見て、金髪,ヤンキー・不良上がり,汚い,ブルーカラー等々、あまり関わりたくない人達、私とは無縁などとの固定観念を抱く事は大きな誤りである。現に今、貴方がパソコンに向かっている、その部屋、その建物・建築物、それらは間違いなく、彼らの苦労と苦悩、技術の末に存在している。即ち、我々の快適な生活は建設・土木業の恩恵無しには有り得ないのである。
 あらゆる職業、業種、技術、苦労によって、社会は成立している事を忘れてはならない。世の中、個人・企業等の自己完結は有り得ないのである。私は単刀直入に物事を捉えたくないと考えている。単刀直入な固定観念こそ、争い然り紛争、問題を引き起こす要因ではないだろうか。
 物事の背景、経緯等を相互理解する事、思いやりの心を磨く事の大切さを、資格取得を通じて学ぶ事ができる!



使用テキスト等
題 名 編 集 発 行
型枠及び型枠支保工組立て・解体工事の作業指針
=作業主任者技能講習テキスト=
建設業労働災害防止協会 H18.04.20.



  

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